2017.04.15 Saturday
オムレツ皿にサワラ丼
少し前、平松食堂の平松さんに五月下旬から始まる「サワラ丼」の器の依頼を受けました。
その際に提案させていただいたのは、オーソドックスなどんぶり鉢タイプ、平皿でスタイリッシュに見せるタイプの二案。
結局その場では決まらずにいったん持ち帰り考えていただくことになりました。
そして後日、平松さんが選ばれたのはこのオムレツ皿。
実は打ち合わせの最中に最近僕が気になっている器ということで、このオムレツ皿の話をしていたのです。
以前から作る準備をしてきたのですが、まさか最初のデビューがサワラ丼とは、実に面白い展開です。
19世紀・南仏・オムレツ皿。
当時。食後、器の見込みに溜まった出汁をバケットですく って食べたとか。
ひっくり返すと鍋の蓋になっており、一石二鳥の大衆の器 です。
当時。食後、器の見込みに溜まった出汁をバケットですく
ひっくり返すと鍋の蓋になっており、一石二鳥の大衆の器
当時からオムレツ以外にも当然様々な使い方をされてきたはずで、
時代を超え、場所を変え、文化を越えた先に、サワラ丼。
サワラのシーズンが終わればきっといろんな使い方をされるわけで、
もしかするとオムレツが盛られることもあるのかもしれない。。
起源を知ればその後の展開が面白く、一つの物語として伝わってくる。
食堂という枠の中で無限の可能性を表現し、福良という風土で培われた自由な発想で料理をされる平松さん。
オムレツ皿にサワラ丼、
すごくしっくりとくる選択に思わずうなずいてしまう。