総邌利の冊子が完成しました。
表は都美人 杜氏 山内 邦弘さんが総邌利について丁寧に説明して下さいました。
お酒は微生物が白米を発酵する事で造られます。
皆様もご存知のように、玄米を精米すると白米になります。
白米のその玄米に対する重量の割合を精米歩合といいます。
例えば、精米歩合60%では、玄米の外側40%分を磨き取り、中心部の60%分が白米となります。
私たちは総邌利を造るにあたり、亀の尾を精米歩合80%まで磨き、山廃仕込みの純米酒とする事にしました。
一般的に純米酒の精米歩合は70%から60%が多い中、何故、総邌利は精米歩合を80%にしたのか?
それは、亀の尾の個性と野生味をより引き出す為の精米歩合80%。
さらに、山廃仕込み。
目指したのは、芳醇しかもクリアなお酒。
お米を作る人の思いを込めた亀の尾と、お酒を造る人の思いを込めた山廃仕込みとが、出会い、そして出来上がった総邌利です。
どうぞ皆様の思いをのせてお楽しみ下さい。
都美人 杜氏 山内 邦弘
裏にはあめつち農園 ボンバーこと塩田 宏紀くんの総邌利に込められた熱い思いが綴られています。
鋤禾日當午
汗滴禾下土
誰知盤中餐
粒粒皆辛苦
総邌利の裏ラベルにはこの漢詩を入れました。
毎日当たり前のように食べているお米。
当たり前過ぎて粗末にしてしまっていたり、お米がどのようにして育てられているのかも知らない子どもたちもいます。
僕も農家になるまでその一人でした。
僕がつくっている鮎原宇谷の田んぼは地堀の水路を通って池の水が入り込む昔ながらの貴重な場所です。
お米作りは山へ入り水源である池までの道の草を刈り、鍬で水路を確保するところから始まります。それから田植えまでも沢山の準備を乗り越え毎日毎日朝から日が暮れるまで作業を繰り返し繰り返し、、。
そして半年の歳月を経てやっと収穫し、茶碗一杯のお米を食べることができるのです。
お米だけでなく、たくさんの農作物はそんな農家の
“粒粒皆辛苦”の賜物だったんだ。
そしてお米を作ることで山の栄養を川へ流し、海へ送る事が出来る大切な人と自然の営みであることを農家になって初めて知りました。
自然と共に生き、生かされている。
汗水流して鍬をふって、美しい空を見上げると本当にそれを感じることができます。
田圃の中だけでないたくさんの多様性が関わっているから亀ノ尾も環境負荷がかからないように無農薬無化学肥料で育てました。
僕の大好きなこの鮎原宇谷の土地に敬意と感謝を込めて。
お酒造りも杜氏さんやスタッフのみなさんが半年間毎日毎日寝ずの番をしてその一杯を造っています。
総邌利を通じてその想いを知って御賞味いただけたら幸いです。
あめつち農園 塩田 宏紀
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